【文系】大学への数学(2)
みなさん、こんにちは〜。るなです〜。
前回は第1回目の問題演習をしていただきました。
出来栄えはいかがだったでしょうか…?
添削・採点もしますのでぜひぜひDMまで送ってくださいね。
(タダですから。)
※添削はホント気軽にしてください。貶したりなんて絶対にしません。
他の人に見せて評価してもらうのも実力UPの近道です。フィードバックしますので積極的にくださいね!
さて、第2講の問題もチャレンジしてみてくださいね。
問題
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第1問
第2問
第3問
第4問
【文系】大学への数学(1)導入〜問題
おはこんばんにちは。需要があるかわからない新シリーズ『【文系】大学への数学』をしていきたいと思います🎉🎉🎉
◎このシリーズのターゲットは
①文系数学二次試験が解けないよ〜〜(泣)
②文系数学二次試験に挑戦してみたいです!
③文系数学二次試験を色々解いてみたいよ!
という方向けなので、基礎も交えつつ、実践的な形式で学習していくシリーズです。
問題のレベルは【中堅国公立大学文系〜旧帝大文系】にしたいと思います。
例えば…
北海道大学、東北大学、名古屋大学、九州大学、千葉大学、筑波大学、横浜国立大学、新潟大学、金沢大学、神戸大学、岡山大学、広島大学 etc....
東京大学、京都大学、大阪大学、一橋大学の難易度ではないかも。。。
かなりマニアックなターゲットですが、ぜひ皆さんで私が選んだ(テキトー)問題を一緒に解いていきましょう!
解説だけ読んでもしかたないので、ぜひ自分の力で解いてみてくださいね!!!(大事)
〜〜◎重要なお知らせ◎〜〜
自分の志望する大学によっては出題数や解答時間にばらつきがあるのは把握しています(頑張って調べました…)。
各回で形式が異なるのも大変ですので、このシリーズでは【100分】・【4問】の形式で統一したいと思います。
100分4問解ける範囲内で出題しますので、それをどう活用するかは各自におまかせします。
調べた範囲ですが参考程度に、大学ごとの出題数と解答時間を下に記述しておきます。
・北海道大学 4問 90分 (22.5分/問)
・東北大学 4問 100分 (25分/問)
・東京大学 4問 100分 (25分/問)
・名古屋大学 3問 90分 (30分/問)
・大阪大学 3問 90分 (30分/問)
・京都大学 5問 120分 (24分/問)
・九州大学 4問 120分 (30分/問)
・千葉大学 4問 90分 (22.5分/問)
・一橋大学 5問 120分 (24分/問)
・横浜国立大学 3問 90分 (30分/問)
・神戸大学 3問 80分 (26.7分/問)
・広島大学 4問 120分 (30分/問)
それでは【文系】大学への数学 第1講 はじめます!!!
問題
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第1問
第2問
第3問
第4問
1日で得意になる漢文の解き方の話⑨〜実践編(3)国公立大・解説編
1.国公立大編 2018年熊本大学第4問
例にもよって本文への書き込みを晒します。
↓
今回からは量が多くなってしまうので書き下しと要点だけを確認していきます。
○第1文 蘇子曰、「道可致而不可求。」
〈ポイント〉
→道とは何か?を意識しながら読解していこう!
→「可」は可能。「不」は否定形。
【書き下し文】蘇子曰く、道は致す可くして求む可からず。
○第2文 何謂致。
〈ポイント〉
→「何[ヲカ]」は疑問形。
【書き下し文】何をか致すと謂ふ。
○第3文 孫武曰、「善戦者致人、不致於人。」
【書き下し文】孫武曰く、「善く戦ふ者は人を致して、人に致されず」と。
※注釈に記載の通り。「致」=「動かす」??
○第4文 子夏曰、「百工居肆以成其事、君子学以致其道。」
【書き下し文】子夏曰く、「百工肆に居りて以て其の事を成し、君子は学びて以て其の道を致す」と。
※注釈に記載の通り。「致」=「会得する」??
○第5文 莫之求而自至、斯以為致也歟。
〈ポイント〉
→「莫」は否定形。「自[おのずから]」は「自然に〜、当然〜」の意。「斯」は「斯[か]くして」から推測しましょう。「斯[ここ]」と読む。「〜也歟」は疑問形。
【書き下し文】之を求むる莫くして自ずから至る、斯を以て致と為すなるか。
◎第一段落 ポイント
・「道」とは何か?
・「致す」とは何か?
→第1文「道は致すべきものであって、求めるものではない」
第5文「道は求めるものではなくて自然と到達する、これが「致す」ということである」
第6文 南方多没人。
【書き下し文】南方に没人多し。
第7文 日与水居也。
〈ポイント〉
→「与」は多様な用法があるので注意しなければならない。
・「と」=「〜と」(and、with)
・「ともに」=「一緒に」
・「くみ[ス]」=「仲間になる、賛成する」
・「あずか[ル]」=「関係する、参加する」
・「あた[フ]=「与える」
・「より[ハ]」=「〜よりも」(比較)
・「か・や」(疑問・反語の終助詞)
【書き下し文】日び水と居るなり。
第8文 七歳而能渉、十歳而能浮、十五歳而能没矣。
〈ポイント〉
→ここでの「矣」は疑問・反語ではなく、断定の置き字の用法です。
【書き下し文】七歳にして能く渉り、十歳にして能く浮かび、十五歳にして能く没す。
第9文 夫没者豈苟然哉。
〈ポイント〉
→「夫[そ]れ」は「そもそも」の意味。他に「夫[か]ノ」であれば「あの」(指示語)、「かな」であれば詠嘆である。
→「豈」は疑問・反語形。「苟[いやしく]も」も疑問・反語形です。
【書き下し文】夫れ没する者豈に苟しくも然らんや。
第10文 必将有得於水之道者。
〈ポイント〉
→「将」は再読文字。
【書き下し文】必ず将に水の道に得る者有らんとす。
第11文 日与水居、則十五而得其道。
〈ポイント〉
→「則」は〈仮定条件〉〈確定条件〉を表す。
【書き下し文】日び水と居れば、則ち十五にして其の道を得。
第12文 生不識水、則雖壮見舟而畏之。
〈ポイント〉
→「雖」は仮定形。
【書き下し文】生まれて水を識らざれば、則ち壮にして舟を見ると雖も之を畏る。
第13文 故北方之勇者、問於没人、而求其所以没、以其言試之河、未有不溺者也。
〈ポイント〉
→「故」は「理由」を表します。他にも多様な意味があるので注意!
・「故[もと]より」で「以前」☆頻出
・「故[ふる]し」で「昔」(→故郷)
・「故[ことさら]に」で「わざと」(→故意)
・「故[こと]」で「事件・災い」(→事故)
→「未不〜」は二重否定の形。意味は強い肯定。
【書き下し文】故に北方の勇者、没人に問ひて、其の没する所以を求め、其の言を以て之を河に試みるに、未だ溺れざる者有らざるなり。
第14文 故凡不学而務求道、皆北方之学没人也。
〈ポイント〉
→「凡」は「すべて、おしなべて、そもそも」の意味。「皆」も「すべて」の意味。
【書き下し文】故に凡そ学ばずして道を求むるに務むるは、皆北方の没を学ぶ者なり。
国公立大学の漢文の難しい点は次の2点が挙げられると思います。
① 白文書き下し
② 読解を踏まえた解釈
①については文法が分かればそこまで構える必要はありません。毎日の演習の積み重ねで習得可能です。
②については国語力[=読解力]が試されます。本文全体を踏まえて本質を捉えないと解答は容易ではありません。
でも要は何が言いたいのかを汲み取るだけです。本文もそんなに長くないので探すのは難しくないです。精読を励行しましょう。
では問題を見ていきましょう。
問1 語句の読み
・「与」は多様な用法があるので注意が必要です。
→でもここは「と」しかないでしょう。
・「苟しくも」は「いや[しくも]」です。読みより意味の方が重要です。
問2 返り点
・「将」が再読文字であることに注意。
・「有」はVSの語順になるので注意。
・品詞分解
〈必(M)〉【将】有(V)、{[得(V)、於水之道(O)]者(S)}
・語順
必【1】将【2・10】有【9】得【7】於【3】水【4】之【5】道【6】者【8】。
問3 口語訳 「未有不溺者也」
ポイントは二重否定の訳出だけです。
否定形の「未」と「不」をないものと見ると「(未)有(不)溺者也」→「有溺者也」となるので意味は「溺れる者がいる」という意味になる。
【品詞分解】【未】有(V){[【不】溺(V)]者(S)}也。
↓(読み方の確定)
【書き下し文】未だ溺れざる者有らざるなり。
↓ (主語等を補う)
【口語訳】北方の人で溺れない人はいない
問4 解釈
(1)「道」の解釈
問題文より第一段落における「道」の解釈を問う問題です。抽象的でなかなか難しいとは思いますが、範囲も限定的であり、本文全体をある程度把握できれば問題ないでしょう。
特に解答の核になる部分は次の2文だと思います。
☆道可致而不可求…莫之求自至、斯以為至也歟
↓
また、「道」の過程を孫武と子夏の言葉を用いて説明している。
☆「善戦者〜不致於人」、「百工居〜致其道」
〈ポイント〉
①道とは求めるものではなく、自然と到達するものである
②相手を動かしたり、自分の店の中で完成させたり、学問をすることによって「道」を会得できる
(→全部を書く必要はない)
ポイントの①、②をまとめれば解答を導けると思います。
【例】「道」とは進んで求めるものではなく、積み重ね学問に励む過程の中で自然と会得されるものであるとしている。
(2)「不学而務求道」と「北方之学没者」の解釈
全体の要約になります。筆者の伝えたいことは何なのか。
センターでも二次試験でも必ずといっていいほど聞かれる国語学習の最終到達目標といえる問題パターンです。
できるまで粘り強く解くことが国語力、読解力の養成につながります。
〈ポイント〉
・傍線部の「不学而務求道」と「北方之学没者」についての共通点とは何か。
→本文のどの部分を指しているのか。
→その部分における「学」とはどんな意味であったか。
①傍線部を理解しよう
【書き下し文】
学ばずして道を求むるに務むるは、皆北方の没を学ぶ者なり。
【現代語訳】
《学ばない》で道を求めようと勤しむのは、すべて北方の人が潜るのを《学ぶこと》と同じである。
②本文のどの部分を指しているのか
・不学而務求道
→第一段落の話
→「学」の意味は「学問」である
◎第一段落のまとめ
・道は求めるものではなく自然と到達するものである。
・君子は学問することで道を会得すると説いている。
・北方之学没者
→第二段落の話
→「学」の意味は「(方法を)教えてもらう」ことである
◎第二段落のまとめ
・南方の人に潜ることのできる人が多いのは、毎日水と共に生活し、水の性質を会得しているからである。
・だから北方の人が南方の人に潜る方法を教えてもらってやってみても必ず溺れてしまう。
〈共通点〉とは…?
→大まかな共通点
①道は求めるものではない(という前提)
②学ばずに道を求めている点。
→より具体的に落とし込もう。
①道は求めるものではないのに、②前者は積み重ね学問をせずに道を求めており、後者は潜る方法を教わるだけで道を求めている。
【例】「道」は求めても会得できるものではないのに、求めるだけで積み重ね学問をしないために道を会得できない点と潜る方法を教わるだけで溺れてしまう点が同じであるということ。
◎総評
出典は2018年熊本大学文系第4問である。語句、句型ともに基本的であり、平易な内容である。目安時間は20分。国公立大漢文の特徴として本文読解の記述を含んでいる点が漢文対策の中心となると思います。特に今回だと「道」に関する読解が本文全体を理解できないと難しいと感じてしまうのかなと思います。特に難しい問題はなく、基礎的な語句、句型の練習になると思います。標準的な問題です。
◎復習問題
①「夫没者豈苟然哉」を現代語訳しなさい。
②「未有不溺者也」をすべて平仮名で書き下しなさい。
◎復習問題解答
①そもそも潜ることをどうしていい加減に行うことができるだろうか(いやできない)。
・「夫[そレ]」は「そもそも、いったい」
・「夫[かノ]」は「あの〜(指示語)」
・「夫[かな]」は「だなぁ(詠嘆)」
・「豈」は疑問・反語・詠嘆を表す語句。
→「然らんや」は『「然る」の未然形+ン(+や)」なので反語。
※「未然形+ン+ヤ」は基本的に反語(稀に詠嘆)。
・「苟[いやしくモ]」は「もし〜ならば」と「いい加減に」という意味。
②いまだおぼれざるものあらざるなり。
・着眼点…「有」は「VS型」なので「有」の次はS(主語)になります。「未だ〜ず」は再読文字。
・注意点…否定形が続く動詞の活用形は…? →溺れざる者、有らざるなり(未然形)
1日で得意になる漢文の解き方の話⑧〜実践編(3)
これまでに2つの漢文を解いてみました。なんとなく感覚は掴んでいただいたでしょうか??
今一つという方は、学校の教科書の漢文をもう一度解き直してみてください。
今度はちゃんと読解しながらね!
さてさて、実践編の導入は終わりです。今回からは少し二次試験に近いような(標準レベルの)問題を解いていこうと思います。
またそれぞれで進路が違うと思いますので、国公立大学編と私立上位大学編の2本立てで進めていきたいと思います。
片方だけでもいいですし、両方といても構いません。
自分の学習スケジュールに合わせて活用してくださいね。
1.国公立大学編
問題
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出題大学は2018年熊本大学文系第4問です。難易度はやや易〜標準です。解答時間の目安は20分です。
2.私立上位大学編
問題
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出題大学は2018年早稲田大学法学部第2問です。難易度は標準。解答時間の目安は20分です。
1日で得意になる漢文の解き方の話〜⑦実践編(2)解答
例にもよって書き込み例を載せます。
↓
今回のテーマは比較です。漢文ではよく比較表現が使われるので同じ文型、同じ構成、同じ句型などに注目して解いていきましょう。
第1文「家庭之教又必原於朝廷之教」
品詞分解「家庭之教(S)、〈又(M)〉、〈必(M)〉、原(V)、〈於朝廷之教(M)〉」
→「必」、「於」の意味を確認しましょう。
書き下し文「家庭の教へ又必ず朝廷の教へに原づく。」
→意味もそのままなので特に解説はなしです。
第2文「朝廷之教以【(1)】、則家庭之教亦以道徳。」
第3文「朝廷之教以名刺、則家庭之教亦以名刺。」
→第2文と第3文は文構造がほぼ一緒です。比較ですね。分かりやすいので気付いた方も多いと思います。
品詞分解「朝廷之教(S)、以(V)、【(1)】(O)/、〈則(M)〉、家庭之教(S)、〈亦(M)〉、以(V)、道徳(O)。」
→「以」、「則」、「亦」の意味を確認しましょう。
書き下し文「朝廷の教へ【(1)】を以てすれば、則ち家庭の教へも亦た道徳を以てす。」
「朝廷の教へ名刺を以てすれば、則ち家庭の教へも亦た名刺を以てす。」
→朝廷の教えが【(1)】を使えば(→重んじれば)、家庭の教えもまた道徳を使います(→重んじる)。
→朝廷の教えが名誉と利益を使えば(→重んじれば)、家庭の教えもまた名誉と利益を使います(→重んじる)。
【(1)】に何が入るかはもう分かりますね???
第4文「嘗有友人問、建文時何多忠義。」
品詞分解「〈嘗(M)〉、有(V)、友人(S)/、問(V)/、〈建文時(M)〉、【何】多(V)、忠義(O)」
→「有」はSV逆転するタイプです。
「何ぞ〜」は疑問形。
書き下し文「嘗て友人有り問ふ、『建文の時何ぞ忠義多き』と。」
→「嘗」は「かつて」(以前〜)と「な[ム]」(舐める)の2つの用法があります。
→「以前友人がいて、問うには『建文の時はどうして忠義が多かったのか』と。」
第5文「予曰、此父兄之教厳耳。」
品詞分解「予(S)、曰(V)/、此父兄之教(S)、厳(P)、〈耳(M)〉」
→「耳」は限定形です。
書き下し文「予曰く、『此れ父兄の教へ厳なるのみ』と。」
→「私が(答えて)言うには、『それは父兄の教えが厳格だったからです』と。」
第6文「友人問、何以知之。」
品詞分解「友人(S)、問(V)/、【何以】知(V)、之(O)」
→「何以〜」は「どうやって〜か」の意味の疑問形。
書き下し文「友人問ふ、何を以てか之を知ると。」
→「友人が(また)質問するには、『どうやってこれを知ったのですか』と。」
第7文「曰、以朝廷之教知之。」
品詞分解「曰(V)/、以(V)、朝廷之教(O)、知(V)、之(O)」
書き下し文「曰く、『朝廷の教へを以て之を知る』と。」
→「(私が答えて)言うには、『朝廷の教えによって、このことがわかる』と。」
第8文「蓋当時朝廷之教甚厳。」
品詞分解「〈蓋(M)〉、〈当時(M)〉、朝廷之教(S)、〈甚(M)〉、厳(P)」
→「蓋」、「甚」の意味を確認しましょう。
書き下し文「蓋し当時朝廷の教へ甚だ厳なり」
→「思うに、当時(建文の時)の朝廷の教えは非常に厳格であった」
第9文「其子弟苟或居官而不肖、則累及父母、累及宗族。」
品詞分解「其子弟(S)、【苟或】居(V)、官(O)/、〈而(M)〉不肖(P)/、〈則(M)〉、累(S)、及(V)、父母(O)/、累(S)、及(V)、宗族(O)」
書き下し文「其の子弟苟或官に居りて不肖ならば、則ち累父母に及び、累宗族に及ぶ。」
→「不肖(ふせう)」は「愚か・愚か者」という意味の重要語句。やや難。
→「苟或〜[バ]、則ち〜」は仮定形と呼ばれる句型です。
◎仮定形には3つのパターンがあります。
(1)「如、若、苟」+「則」…「もし〜ならば」
※「果して〜ば、」も同じ意味。
(2)「縦、雖」…「たとえ〜としても《仮定条件》」、「〜であるけれども《確定条件》」
※「=縦令、仮令」
(3)「使[メバ]A[ヲシテ]V[セ]」…「もしAがVしたら」
※(=令)
→「其の子弟がもし官職に就いていて愚か者であったなら、巻き添えは父母に及び、一族にも及んだであろう」
第10文「故孩提之時苟或不肖、則其父兄必変色而訓之。」
品詞分解「〈故(M)〉、〈孩提之時(M)〉、【苟或】不肖(P)/、〈則(M)〉、其父兄(S)、〈必(M)〉、変(V)、色
(O)、/〈而(M)〉、訓(V)、之(O)」
→「故」、「色」の意味を確認しましょう。
書き下し文「故に孩提の時苟或不肖ならば、則ち其の父兄必ず色を変え之を訓ふ。」
→「なので幼児の時にもし愚か者であったなら、その父兄が必ず怒りのあまり顔色を変えてこれを教え諭したものである。」
第11文「語曰、少成若天性、習慣如自然。」
品詞分解「語(S)、曰(V)/、少成(S)、若(V)、天性(O)/、習慣(S)、如(V)、自然(O)」
→「語」=「孔子」に注意。「若」、「如」の比較に注目。
書き下し文「語に曰く、『少成は天性のごとく、習慣は自然のごとし』と。」
→「孔子の言葉によれば、『幼少期に培われた性質は天性のようなものであり、習慣は自然のようなものである』と。」
第12文「積累既深、所以居官之時、雖九死而靡悔也。」
品詞分解「積累(S)、〈既(M)〉、深(P)、所以(P){〈居官之時(M)〉、〈雖九死(M)〉、〈而(M)〉【靡】悔(V)}也」
→「既」、「所以」、「雖」の意味を確認しましょう。
書き下し文「積累既に深きは、官に居るの時、九死すと雖も悔い靡き所以なり」
→「積み重ねがもうすでに深くなっていれば、官職に就いている時に、ほとんど死にそうになったとしても悔いることなどない理由である」
***
さて次に問題をみてみましょう。
↓
問1 空欄補充
着眼点:①「亦」に着目する
②「比較」に着目する
・「朝廷之教以【(1)】」
・「家庭之教《亦》以道徳」
→この2つの文章は同じであるとわかる。したがって【(1)】=「道徳」であることがわかる。
・朝廷之教以【(1)】、則家庭之教亦以「②道徳」
・朝廷之教以「①‘名刺」、則家庭之教亦以「②‘名刺」
・【(1)】=「②道徳」
・「①‘名刺」=「②‘名刺」
→したがって【(1)】=「道徳」であることがわかる。
問2 単語の読み方
着眼点:「嘗」→「かつて」、「なむ」、「こころみる」
今回は副詞としての用法であるので「かつて」しかない。
問3 解釈
「以朝廷之教知之」
着眼点:「以」の訳出、「知」の訳出
・「以」=「〜によって」
・「知」=「わかる」
問4 返り点
「所以居官之時、雖九死而靡悔也」
着眼点:「くわんにをるのとき、きうしすといへどもくいなきゆゑんなり」
→「所以【11】居【2】官【1】之【3】時【4】、雖【7】九【5】死【6】而【8】靡【10】悔【9】也【12】」
「靡」の部分には「上レ点」が付きます。
問5 内容正誤
A:→「名刺を重んじるような方向は望ましくない」が本文記載なし。
B:→「国民を教え導いた」が本文記載なし。
C:→「国民が不安なく生活できるならば、国家は安定する」が本文記載なし。
D:→最初の第1〜第3文に一致。正解。
E:→「大きい影響力を持つことはない」が本文記載なし。
◎総評
出典は2015年中央大学文学部第3問である。本文内容、問題内容ともに平易なものである。目安時間は10分〜15分。
問1、2、4は易。問3、5はやや易。問5は正解を選びやすい一方で消去法は少し悩むかもしれない。
単語力、句型暗記を常に意識して訓練していけば特に問題はないと思います。
◎復習問題
(1)「耳」、「蓋」の読み方を平仮名で書きなさい。
(2)「何以知之」を口語訳しなさい。
(3)「語」とは誰の言葉か。
(4)「父兄必変色而訓之」を書き下し文にしなさい。
◎復習問題【解答】
(1)のみ、けだし
(2)どうしてこれがわかったのですか
(3)孔子
(4)父兄必ず色を変え之を訓ふ
1日で得意になる漢文の解き方の話〜⑤重要語句編(おまけ)
今回は読解の基礎となる単語についてクイズ形式で学んでいきましょう!!
全部で40問ありますので、全部分かったら結構得意?になってるかも!
それではさっそくLet's try!
※☆は入試問題で頻出です! ★は難しめです。
【第1問〜第10問】名詞と動詞の意味
☆第1問 「所以」は何と読む?
第2問 名詞「故人」はなんて意味?
★第3問 名詞「左右」はなんて意味?
第4問 名詞「色」はなんて意味?
第5問 名詞「爾」なんて読む?
第6問 動詞「辞す」はなんて意味?
第7問 動詞「説ぶ」はなんて意味?
第8問 動詞「道ふ」はなんて意味?
第9問 動詞「白す」はなんて意味?
第10問 動詞「弁ず」はなんて意味?
【第1問〜第10問:解答】
第1問:ゆえん
第2問:昔なじみ、旧友
第3問:侍臣、側近
第4問:顔の表情
第5問:なんじ ※文末で「のみ」
第6問:①やめる(cf.辞職)、②別れを告げる(cf.辞去、辞世)、③ことわる(cf.固辞、辞退)
※名詞で「言葉」という意味もあります。(cf.辞書)
第7問:喜ぶ(=悦) ※「説く」=「説明する、納得させる」
第8問:言う(cf.報道) ※名詞「道[みち]」=道理、筋道、方法、手段
第9問:申し上げる(cf.敬白)、告げる(cf.告白)
第10問:わける、区別する(cf.弁別)、処理する、道理を解き明かす
【第11問〜第20問】副詞
第11問 「蓋し」の読み方と意味は?
第12問 「倶に」の読み方と意味は?
☆第13問 「具に」の読み方と意味は?
☆第14問 「固」の読み方は?(注:送り仮名を省いています)
第15問 「私に」の読み方は? (「わたしに」じゃないよ)
第16問 「悉く」の読み方は?
☆第17問 「頗」の読み方と意味は?(注:送り仮名を省いています)
第18問 「凡そ」の読み方と意味は?
★第19問 「方に」の読み方と意味は?
第20問 「偶」の読み方と意味は?
【第11問〜第20問:解答】
第11問:「けだ(し)」(思うに〜だろう) ※動詞「蓋[おお]ふ」で覆い隠すという意味になります。
第12問:「とも(に)」(一緒に、そろって)
第13問:「つぶさ(に)」(くわしく、十分に) ※動詞「具[そな]わる」でそろっているの意味になります。
第14問:「もと(より)」 ※もちろん、もともとの意味
第15問:「ひそか(に)」 ※ひっそりとの意味 (=窃に)
第16問:「ことごと(く)」 ※すっかり全部、みなの意味(=尽く)
第17問:「すこぶ(る)」(少し、かなり) ※意味は文脈で判断!
第18問:「およ(そ)」(すべて、おしなべて、そもそも) cf.大凡[おおよそ](だいたい)
第19問:「まさ(に)」(ちょうどその時) ※「方[はじ](めて)」でそこでやっとの意味になります。
第20問:「たまたま」(偶然に、思いがけず) (=適、会)
【第21問〜第30問】副詞②
第21問 「数」の読み方と意味は?
第22問 「徐に」の読み方と意味は?
☆第23問 「卒に」の読み方と意味は?
☆第24問 「俄に」の読み方と意味は?
第25問 「忽ち」の読み方と意味は?
★第26問 「須臾にして」の読み方と意味は?
第27問 「古」の読み方と意味は?
第28問 「自」の読み方と意味は?
第29問 「幾」の読み方と意味は?
第30問 「所謂」の読み方は?
【第21問〜第30問:解答】
第21問 「しばしば」(たびたび)
第22問 「おもむろ(に)」(ゆっくりと)
第23問 「にはか(に)」(急に、不意に) ※(=遽に)
第24問 「にはか(に)」(やがて、間もなく) ※(=俄而に)
第25問 「たちま(ち)」(突然、ふと)
第26問 「しゅゆ(にして)」(しばらくして、間もなく)
第27問 「いにしへ」(昔、古代)
第28問 「みずか(ら)」(自分で、自分から)、「おのずか(ら)」(自然に、当然)、「より」(〜から)
第29問 「ほとん(ど)」(もう少しで〜しそうだ)、「いくばく」(どれほど)
第30問 「いはゆる」 (言葉の引用を表す)
【第31問〜第40問】形容詞・その他
第31問 「少し」の読み方と意味は?
第32問 「衆し」の読み方と意味は?
★第33問 「美む」の読みと意味は?
☆第34問 「如此」の読み方は?
第35問 「夫れ」の読み方は?
第36問 「ー耳」の読み方は?
第37問 「雖も」の読み方は?
第38問 「苟くも」の読み方は?
☆第39問 「乃」の読み方は?
☆第40問 「亦」の読み方は?
【第31問〜第40問:解答】
第31問:「すくな(し)」(少ない)、「わか(し)」(若い)
第32問:「おほ(し)」(多い)
第33問:「ほ(む)」(ほめる) ※(=賛美) 「美[び]なり」で美しい、立派な、おいしいという意味になります。
第34問:「かくのごとし」 (=如是、若是、若此)
第35問:「そ(れ)」 ※(そもそも、あの〜(指示語))、「(文末で)かな」(〜だなあ(詠嘆))
第36問:「のみ」 (=已、爾、而已、而已矣、已矣、耳矣、爾矣)
第37問:「いえども」
第38問:「いやし(くも)」
第39問:「すなはち」(=即ち、則ち、便ち、輒ち) ※意味はそれぞれ異なるので注意!
即…①すぐに、そのまま ②とりもなおさず
則…①すぐに、そのまま ②とりもなおさず
便…①すぐに、そのまま ②たやすく
乃…①そこで ②やっと ③かえって ④なんと《驚き》
輒…①そのたびごとに いつも ②すぐに
第40問:「また」(=又、復) ※意味はそれぞれ異なるので注意!
又…そのうえ、さらに
亦…〜も同様に、〜もやはり
復…再び
全部解けましたか??? 何回も練習すると覚えますし、問題演習でも何回も見かける単語だと思いますのでそのたびにアウトプットしていきましょう!!!ではでは〜〜〜