動物について②
前回の続きです。引き続き「動物」について述べてきいます。
3)動物を食べること
私たちの多くは鶏や豚や牛などのお肉を食べているのではないでしょうか。中にはベジタリアンの人もいますが…。
功利主義の立場では(肉を食べる)人間の幸福が(食べられる)動物の苦痛を上回っている場合、お肉を食べることが正当化されます(但し、肉を食べないことによる人間の苦痛も考慮する)。
肉を食べる食べないも私たちにとって重要な点ではあるかと思いますが、他にも問題があると思います。
(1)不必要な苦痛を与えている。
(2)不都合な事実を隠している。
(3)種差別の容認。
(1)不必要な苦痛を与えている。
悪質な飼育場においては動物たちに十分な居住スペースを与えなかったり、十分な食事を与えていなかったりする。飼育するために鳥のくちばしを切ったり、豚のしっぽを切る、角を切るといった行為により苦痛を与えている場合がある。屠殺においても十分に麻酔をせずに殺したりする場合がある。このような行為は功利主義の立場においても容認されない。
食べることとは異なるが動物の実験や動物園での飼育、殺処分等も動物たちへ苦痛を与えている。
(2)不都合な事実を隠している
私たちが動物への扱いを判断するには動物がどのように飼育され屠殺されて肉として陳列されているかを知らなければならない。
しかし私たちは屠殺の現場や飼育場を調べようと思わなければ、知らずにお肉を食べることができる。
その事実を知らないで私たちは動物たちへの扱いを判断できるでしょうか。
(3)種差別の容認
動物の肉を食べることを認めた場合、私たちはどの動物を食べることも許されている。だとするならば私たちはなぜ人間を食べてはいけないとするのか。動物は食べて人間は食べてはいけないとする根拠は一体何なのか。
4)まとめ
私は功利主義に反対!……といいたいが迷っているのが正直なところです。功利主義にも問題はありますが、動物の扱いについて功利主義以上の対案を示すことができないためです。問題点としては苦痛の認識、苦痛とは何を指しているのか、個体間の苦痛を測定できない点などがあると思います。
なにかいい意見あれば教えてください。